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世界中を旅した夫婦が見つけた、
理想の田舎暮らし。

国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、
江戸時代末期から昭和初期にかけて建てられた家屋が今も並ぶ美々津町。
それぞれ88ヶ国、66ヶ国をバックパッカーとして巡った末に、
定住の地として歴史と伝統あるこの町を選んだ文武さん・奈緒さん夫婦。
木造建築がつらなる温かい風合いの美々津の町並みは、
互いを「フミくん」「カンちゃん」と呼び合う仲むつまじい2人と、
その2人の間に生まれた愛らしい双子の姉妹がゆったりと散歩する姿を
優しく穏やかに見守っていました。

Uターン

金丸文武・奈緒さん

  • 移住歴3年
  • 移住元美々津(文武さん)・大阪(奈緒さん)
  • 職業自営業

2回目の世界一周の後、美々津へ。

二人の出会いは?

出会いはマレーシアの屋台でした。旅の記録として書いていたブログを読んでくれていた妻が、その屋台で声をかけてくれました。交際をはじめた後に、「まだまだ行ったことのない国がある!」と、ふたたび世界へ飛び出し、2度目の世界一周旅行の後、2人で美々津に帰ってきました。

美々津を定住の地に選んだ理由は?

定住を考えるにあたって、「田舎でのんびりと、古民家暮らしがしたいね」と2人で話しをしていて…。色々と候補を出しながらよくよく考えてみると「あれ?地元の美々津がぴったりだ!」と。歴史や伝統ある場所であるにも関わらず、観光地として作られすぎておらず、人々が普通に生活している美々津という地域が2人の目にはとても魅力的にうつりました。そんな美々津で、まずはベースとなるビジネスを何かはじめようと考え、美々津には飲食店がほとんど無かったので、料理が得意な妻と、世界各地のおいしいものを食べ歩いてきた経験を生かして、古民家を改装した「古民家食堂ひなた屋」をはじめることにしました。

お隣のおじちゃんも、常連さんに。

開店までのみちのりは?

飲食店をする、と言ったときには「絶対成功しない!」「誰がこんなところに行くんだ!」と反対の嵐でした。でもそれを押し切って、崩壊寸前の築160年の古民家を片付け、大工さんと協力しながら4ヶ月かけて現在の形にしました。いざオープンしてみると、たくさんの方に来ていただけて…漁師で町一番の酒豪といわれるお隣のおじちゃんは、開店当初から3日に1回のペースで来てくれています(笑)累計だと220回!地元の方々の憩いの場所になれているようで嬉しいです。

いろいろな人と一緒に、美々津を盛り上げたい。

7月には新たにシェアハウスもはじめられたとか?

空き家の再活用、美々津の人口増加を主な目的として、150年の歴史を持つ旅館「ときわ旅館」を改装して、中長期滞在者向けのシェアハウス「kokage」をはじめました。賃貸よりも気軽に入居できるので、オープンしてからはワーケーション目的の方にも多く滞在していただいています。去年オープンして、すでに2人の方が、「kokage」をキッカケに美々津への移住を決めてくれました。自分達の住んでいる町がもっと楽しくなるように、そして素敵な伝統をつないでいけるように、これからも一緒に面白いことができるメンバーをどんどん増やしていきたいですね。

移住してよかったと思える瞬間は?

苦労した末に手に入れた憧れの古民家ですし、その仕上がりにもすごく満足しているので、外からこのお店に入るたびに「よかったなぁ…」とつくづく思います。あとは、買い物や外食にちょっと出かけるだけで、普通だったら旅先で出会うような壮大な風景が広がっているので、そんな暮らしができることに、毎回贅沢さを感じていますね。

本当の家族のようなご近所さん。

美々津での子育てはいかがですか?

双子という少しだけ特殊な子育てで、苦労も多いかと思いきや、都会のように電車やバス中心の生活ではないので移動も楽ですし、自然の中でのびのびと遊べる所がたくさんあるのでとても快適です。そして、美々津の人もみんな本当の家族のように接してくれるので、それが何よりもありがたいです。この間の初節句も、びっくりするほどたくさんの方がお祝いを届けにやって来てくれました。同級生は少ないですが、これからもたくさんの方とふれあいながら、自然の中で元気いっぱいに育っていってもらいたいです。

移住を考えている方へアドバイス

移住するって、みんなすごく重く考えがちですが、なにも一生を決めてしまうような大きな出来事ではないと私たちは思っていて…なので、興味があるなら、とりあえず一回来て、そして住んでみることをおススメします。田舎はご近所付き合いなどが大変なイメージもあるかもしれませんが 、意外にも一歩ふみだしてみれば理想の田舎生活ができるかもしれませんよ。少なくとも、僕たちとこの町の人々は、大歓迎します!